希少疾患や難治性疾患などについての情報を公開しています。
希少疾患とは全国で5万人未満の方が発症する疾患であり、割合としては人口の1万人に1人以下の発症頻度です。また難治性疾患、特に難病に指定されている疾患の多くは未だ治療法とともに詳細は研究途上の疾患です。
これらの疾患は、臨床的な知見が大きく不足していることが様々な面で課題に繋がっています。
このため患者さんやそのご家族は孤立感や不安感を抱え、医療や製薬における関係者にとっても研究を進捗する上でも病態理解についての課題となることが多いことが特有の問題となるため、当サイトでは疾患や医療を取り巻く情報公開により、個々の疾患に対する認識を高め、患者さんやその家族のQOL(生活の質)の向上や、医療全体についての啓蒙・振興に繋げたいと考えています。

球脊髄性筋萎縮症(SBMA)
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)はケネディ病とも呼ばれ、成人男性に発症する希少な遺伝性の神経変性疾患です。アンドロゲン受容体遺伝子の変異により筋力の低下や筋肉の萎縮が進行していき、症状としては30歳から50歳の間に手足の震えやけいれん、呼吸器機能の低下などが現れ始めます。診断は遺伝子検査によりアンドロゲン受容体遺伝子の変異が決定的となる他、神経生理学的な検査によって神経機能が検査されます。治療法は症状の管理や緩和を目的とした理学療法や作業療法、言語療法などが行われます。病気はゆっくりと進行し、一般的にはほぼ健常人と変わらない生命予後ですが、呼吸器合併症が重篤になることもあります。決定的な治療法については開発途上にあり、遺伝子治療や神経保護薬などの創薬研究に期待されています。